2011年8月12日

お茶お茶お茶

暑い日が続いている。作り置きのお茶の減りが早い、はやい。
水筒に入れる分も必要なので、日によっては二度沸かしている。6月にちょっと奮発して買った大きめの冷茶ポットが大活躍! 緑茶かほうじ茶か麦茶、最近では万能茶という、はと麦やどくだみなど16種の草が入った健康茶をお鍋で沸かして飲んでいる。
あまりに暑くてかなわないので日中は作り置きの冷たいお茶を飲んでいるのだが、夜には温かいハーブティーか緑茶を飲むことが多い。

この街は日中は日差しが強くて肌が焦げるような暑さなのだが、夜10時を過ぎると気温も23度前後となり、窓を開けて扇風機をまわしていれば、まあまあ涼しい。勉強したり本を読んだり絵を描いたりしていると、様々な夏の虫の鳴く声などが風に乗って部屋に入ってきて、ふと肩の力が抜けて穏やかな気持ちになる。そういう時にはあまり、キンキンに冷えた麦茶を飲もうという気にはならない。好きなカップと好きなコースターを選んで温かいお茶をいれるほうが、より深く、良い時間を過ごせるような気がする。

ハーブティーは、昨年イギリスでお友達に教えていただいてすっかり好きになり、その後もいろいろな種類を楽しんでいる。どれも美味しいし、気持ちが落ち着く。元気になったのはハーブティーのおかげもあると思っている(美容効果のほどは不明)。

さて、あるピアニストのお母様から教えていただいた、ドイツのDallmayrの ’Tulsi Ingwer/ Orange’ というお茶が素晴らしい。トゥルシーというのはインドに多く生えているシソ科の植物で、ストレスを軽減する・頭痛や胃痛を和らげる等様々な効能を持っているため、何千年もの間アーユルヴェーダの治療に用いられてきたのだそうだ。また、ヒンズー教のヴィシュヌ神崇拝の儀式には欠かすことのできない神聖な薬草だという。なんだか全身の悪い部分に効き目がありそうである。その効能はさておき、このお茶にお湯を注いだときにマグカップから立ち上る香りの素晴らしさは、芸術を感じさせるほどである。美しい香りと色をみれば、多くの人のストレスの少なくとも一つは霧散するであろう。おすすめいただいた時は、なぞの薬草とショウガとオレンジという組み合わせに、「ううむ、ものは試し…」などと半信半疑だったのだけれど、実際にいれてみたら、飲む前から香りと見た目に感動し、飲んでさらにうっとりしてしまった。

それから、美容に効果があると言われるローズヒップ。これは去年気に入ったお茶の一つなのだが、体質に合うのか、飲むと身体があたたまってリラックスできる。ハイビスカス入りのものは濃厚なピンクの色が美しい。美容のためと思って飲んでいるわけではないが、美容費として家計に計上するとすれば、出費の多い方から二番目には入るであろう。それほど気に入っている。

さらに、デトックスのお茶では、Dr. Stuartのものの他に、イギリスのPukka(パッカ)というメーカーのハーブティーがとても美味しい。これは、アニスシード、フェンネルシード、カルダモンシード、コリアンダーシード、リコリス、セロリシードと、種子だけをブレンドした、ちょっとスパイシーな、でもさわやかな風味のお茶である。日本では一箱ティーバッグ20袋入りで800円以上もして、滅多に買えないのが残念。現在は「pure」という名前になっているようだ。

こうやって、暑さが和らいだ夏の夜に美味しいお茶を飲みながら作業をしているというのは、見方によっては寂しいのだろうけど、別の角度から見れば、まあ幸せなんじゃないかという気がする。少なくとも、どれほど暑かったかという記憶が全くない昨年に比べたら、苦しくても、生きている実感があるだけましだと思える。