2010年11月30日

原稿用紙

昨日、祖父母の家に行ってきた。
電車に乗ってふた駅目から雪が舞い出した。初雪だ。


このところ、夜には冬の星が美しい。オリオン座、おおいぬ座のシリウスなどがくっきりと見える。一昨日はプレアデス星団の星も4つ見えた。自転車をこいでいても、星が遠い天で鮮やかに輝いているのが気になって、上を見上げてしまう。冬の星がここまで澄んで見えるということは、もう雪が降ってもおかしくはないのだったろう。気がつかなかった。


祖父が、時々二階のものを整理しているようだ。何か思いついたものがあるととっておいて、私にくれる。昨日は原稿用紙を貰った。これからもたくさん物語を書くようにと言って。昔から、私が何かものを書くことに一番関心を示してくれたのは、祖父だった。いままでも外に出たものは祖母と一緒に必ず読んでくれた。いただいた原稿用紙には、13×20ます、29×22ます、26×10ますの3種類があった。20×20ますにすれば数えやすくていいのにと思うが、何か編集の都合などがあるのだろうか。13×20ますのものは黄ばんでいて、わら半紙の手触りが懐かしかった。わら半紙というと、高校の時の印刷室を思い出す。用務員さんが施錠にくるまで、副部長だったKと学校新聞を作っていた印刷室。インクで手が黒くなると洗ってもなかなか落ちないし、狭い部屋は紙とドラムカートリッジのにおいでくさかったけど、今でもすごくいい思い出だ。


祖父には、私はパソコンもあるし、何より今は物語を書けそうにないからいらない、と言おうかと思ったが、まとめて封筒に入れてくれた原稿用紙の束がやけに重く感じられて、言えなかった。おじいちゃんが何か書いたら、と言ったのだが、もう使い切れないからと言われてしまった。


貰ってきたのだから使おうと思うのだけれど、ただ途方に暮れている。